カンゴー洞窟

オーケストラの殿堂–カンゴー洞窟(Cango Caves )
 

南アフリカの南方、インド洋沿岸に、旅行者に非常に人気の風景コースがあります。ジョージタウンからナイスナを経てエリザベス港に到るコースは、全コースが秀麗な風景で、到る所に絶景があり、道路網もスムーズであることから「ガーデンルート」(GardenRoute)と呼ばれています。
 
ガーデンルートの内陸部分は、アウトショーンから北へ30キロメートル行った山群の中にあり、そのうち規模が膨大な天然鐘乳洞がカンゴー洞窟(Cango Caves)と呼ばれ、アウトショーン同様にその名を轟かせ、観光客必訪のスポットとなっています

カンゴー洞窟は1780年に発見され、規模があまりに膨大なため、現在でもなお調査が継続されているほどです。但し観光客の見学に開放されている部分は洞窟に3.2キロメートルも奥深く入った地点までです。カンゴー洞窟ではブッシュマン居住の痕跡が発見され、昆虫の化石も発見されました。非常に学術的研究価値のある洞窟です。

私たちは洞窟の入口からゆっくり入っていきます。入口から大体50メートル地点の岩壁の上にはブッシュマンが残した壁画があり、当時ブッシュマンがここに居住、生活していたことを示しています。ここはブッシュマンによって開かれた生態区であるため、生き生きとした蝋人形で中古世紀のブッシュマンの生活スタイルを完全に余すところなく表現しています。当時ブッシュマンは集団生活を送っており、彼らは狩猟で食べ、木をこすり合わせて火を起こすことも知り、簡単な土器も使用し、土器文明も始まっていました。

ブッシュマンの生態エリアを見学したら、更に洞窟に沿って前進していきます。大体100メートル地点に小さな石の階段歩道があり、そこを下りていくと、目の前がぱっと開け、そこには広大な空洞が現れ、なんでもかつてオーケストラがここで演奏を行なったこともあるそうです。この洞窟のエコー効果は特によく、また1千5百人前後も収容可能です。洞窟の周囲には数多くの鐘乳石柱と石筍があり、高さ10メートルに達する物まであり、これらの石筍は調査によって、すでに15万年以上も経っているそうです。
 

洞窟の後方の細い道を前進すると、目の前にまた新たな景色が浮び上がります。広々とした空間の中に、巨大な鐘乳石柱、石筍が直立し、スタッフが明かりをつけると、カラフルなライトが石柱と石筍を照らし、ほんの一瞬、石柱が聖母マリアに変わり、石筍は赤ちゃんのキリストに見えないでしょうか?また岩壁の上の石筍はちょうど十二使徒のようでもあります。こんな時にオーケストラが鳴り響けば、華麗かつ荘厳でしょう。
  
カンゴー洞窟はあたかも音楽の殿堂、また劇場のようでもあります。

 カンゴー洞窟の管理人はあれこれ工夫して、これらの鐘乳石柱と石筍を芸術化、またはヒューマナイズし、カンゴー洞窟にいっそう教育的な効用を持たせようとしています。

続いて管理人は再び私たちを連れて歩道を歩きます。洞窟内の歩道はくねくねと折れ曲がり、時には登り、時には降ります。第3展示に来ると、管理人は観光客に鐘乳石を紹介し理解してもらいます。またみんなに非常に特別な石筍も紹介します。管理人がライトを全て消すと、みんな息を潜めて待ちます。突然太鼓を鳴らす音が遠くから近づき、ゆっくりから激しくなり、そして忽然と止まります。みんな非常に驚きますが、管理人がライトを点けると、岩壁そばの鐘乳石を叩き始めます。それでやっと私たちは、ここの鐘乳石は中空であることに気付くのです。管理人は懐中電灯を手にして鐘乳石を照らします。鐘乳石はライトを照らすことで黄みがかった乳白色を呈します。このような物ができるとはまさに神秘的です。

もう片方の岩石の上には、一かたまりのシダ植物が生えています。本来まっ暗で日のない洞窟では、植物は生長できないはずですが、管理員の説明では、岩石の上にちょうど電灯があり、電灯がまるで日の光のようになっているのでした。岩石の上にはちょうど水もポタポタと落ち、日光と水分があるので、シダ類植物も生長できるのです。

このエリアを過ぎると、歩道は狭くなります。それを更に地下に向って進んでいきます。みんな匍匐(ほふく)前進しなければなりません。管理人は観光客の意志を確かめ、もし体力がない人は洞窟を来た道を戻ってもいいし、体力と興味がある人は見学を続けてもいいのです。